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『ベルリン旧国立美術館(旧ナショナルギャラリー)』の見どころ&おすすめ作品12選

旧国立美術館とは?

ドイツ・ベルリンの博物館島(Museumsinsel)にある美術館の一つです。

名前が似ている「ベルリン旧博物館(Altes Museum)」とは違うので注意してください。旧国立美術館は昔の「ナショナルギャラリー」で、ドイツ語では「Alte Nationalgalerie」です。

ドイツの画家を中心に、古典主義、ロマン主義、印象派、彫刻作品などを所蔵しています。1999年に、博物館島のその他の歴史的建造物とともに、ユネスコの世界遺産に登録されました。美術館の正面にはフリードリヒ・ヴィルヘルム4世の騎馬像があり、美術館のアイコンになっています。

ペルガモン美術館、エジプト博物館、旧博物館、ベルリン大聖堂と隣接しています。

旧国立美術館 (ベルリン) – Wikipedia

どんな作品がある?

ベルリン有数の美術館だけあって、絵画作品、彫刻作品ともに充実しています。日本では資料が少ない、ドイツ美術について理解を深めることができる貴重な美術館です。

画家では、ベックリン、マネ、ルーベンス、セザンヌ、ゴーギャン、ヴラマンク、クールベ、マンツェルやドイツ出身の画家の絵画があります。特にベックリン、マンツェル、ルーベンスが充実していました。シュトックの『罪』と、ベックリンの『死の島』は絶対に見逃せない作品です!

彫刻作品も見応えがあり、ロダン、ドガ、ラインホルト・ベガスなどが見られます。ベルリンを代表する美術館だけあって充実したコレクションです。

本記事ではおすすめ作品12点を取り上げて紹介しています。もっと見たい!という方は電子書籍をご検討ください🙏

『アモールとプシュケー』ラインホルト・ベガス 1854-1857年

ベガスはドイツ新バロック様式を代表する彫刻家です。主題はギリシャ神話の『アモールとプシュケー』から。愛の神アモールは人間の娘プシュケーに恋をし、姿を隠したまま毎晩プシュケーの元を訪れます。プシュケーは姉たちにそそのかされ、ある夜、ロウソクを灯して夫の姿を見てしまいます。

本作のプシュケーが右手にナイフを持っているのは、姉たちに「今夜は寝床のそばにナイフとランプを隠しておきなさい。夫が眠ってしまったらランプをともして正体を見るのです。相手が怖ろしい姿をしていたら、ひと思いにさし殺してしまいなさい」と言われたためです。

『死の島』アルノルト・ベックリン 1883年

ここで『死の島』を見れるとは思わなかったので大興奮でした!

ベックリンはスイス出身の画家で、ドイツで人気を博し、特にこの『死の島』は当時とても話題になりました。同じテーマで5つのバージョンが制作されていて、ベルリン旧国立美術館では3番目を見ることができます。

1・2番目より明るい空間に浮かぶ小島には厳かな静けさが漂い、絵を間近で見ると糸杉の間に祭壇がうっすらと見えます。岩肌にあるいくつもの洞窟はどこへ繋がっているのでしょうか。

『バイオリンを弾く死がある自画像』アルノルト・ベックリン 1872年

コニシお気に入り!のベックリンの自画像です。本作では画家の背後で【死】を擬人化したガイコツがバイオリンを弾いています。画家はパレットと筆を持ちながら遠くを見つめています。骸骨に全く気が付いていないようも、何かの気配・違和感を感じているようにも見えます。

『温室にて』エドゥアール・マネ 1879年

『印象派の父』マネが描いた本作は美術館を代表する作品の一つです。絵のモデルはマネと親交のあった知人のジュール・ギュメ夫妻で、パリでドレスショップを営む実業家でした。ギュメ氏は身をかがめて妻に目を向けていますが、婦人は無関心な様子で別の方向を見ています。マネは本作のような「無関心な態度の女性」を度々描いています。

『花とフルーツのある静物画』ポール・セザンヌ 1890年

色彩が美しい静物画です。ボリュームのある白いテーブルクロスが広がる机は、クロスの右端・左端で視点が違っている点に注目してください。クロスの右側のテーブルは上から見た視点で、左側のテーブルはほぼ真横から見た視点で描かれています。

左側には今にも転がり落ちそうな果物。花瓶の紐は模様のように見えますが、花瓶から離れて葉に繋がっています。

『夏』ルノワール 1868年

肩をはだけた瑞々しい少女の肖像画。モデルは7歳年下のフランス人女性リース・トレホです。トレホとルノワールの関係ははっきりしていませんが、トレホは父親不明の子供を二人出産したという記録が残っており、ルノワールが父親だという説があります。

『右足の裏を見るダンサー 』ドガ 1890-1911年

エドガー・ドガの小さなブロンズ彫刻です。この作品は、裸の女性が左足で立ち、右手で右足を握りしめています。足の裏を見るために後ろを振り返り、身体がねじれた体勢です。

彫刻の表面には滑らかではなく、指の窪みや引っかき傷が残るなど荒削りです。後から素材が接着された様子も見て取れます。この女性の左手は切り詰められており、右手は右足に溶け込んでいるようです。

『タヒチの漁師』ゴーギャン 1891年

1891年、ゴーギャンが初めて太平洋の島タヒチを訪れた時(ゴッホの耳切り事件の2年後)に描いた作品です。昔ながらの漁業を行う漁師の女性たちが描かれています。プリミティブで伝統的な文化が強く感じられます。その後、ゴーギャンはタヒチの題材を基に作品の制作を続けました。

『フルート・コンサート』アドルフ・メンツェル 1850-52年

ドイツ出身の画家メンツェルの代表作です。当時のプロセイン王国の首都ベルリンで活躍し、宮廷画や歴史画の他、労働者や日常的風景を描きました。本作では、音楽への造詣が深かったフリードリヒ大王が、ポツダムのサンスーシ宮殿でコンサートを開催した時の様子が描かれています。

『鉄の圧延機(現代のサイクロプス)』アドルフ・メンツェル 1872-75年

こちらもメンツェルの代表作です。題名には「現代のサイクロプス」という副題が付いています。メンツェルは、ドイツでの産業革命・技術進歩の結果としての社会問題に関心を持っていました。本作では当時3000人労働者を雇用していた圧延工場の労働者を描いています。劣悪な環境での労働をありのままに描いたことで、当時物議を醸し出しました。

『歩行者』マックス・クリンガー 1878年

クリンガーはドイツ出身の画家で、独特の幻想的な作風で知られ、シュルレアリスムの先駆者とも言われています

本作は青空とレンガと芝生という牧歌的なモチーフですが、緊張感と不穏さが漂います。「散歩に出かけた若者がギャングに囲まれ身を守ろうとピストルを抜いた場面」が描かれています。

壁に追いつけられ孤立している男性はポケットからピストルを取り出しています。その男性を囲むようににじり寄ろうとしている男性達は皆木の棒を手に持ち、一人は地面から大きな石を拾おうとしています。

『罪』シュトゥック 1912年

好きすぎる作品!個人的にベルリン旧国立美術館の作品を一つ選ぶとしたらこの作品っきゃありません。

シュトックはドイツ出身の画家でミュンヘン分離派の創始者の一人です。アルノルト・ベックリンに影響され、主に神話や聖書をテーマとして描きました。この作品では旧約聖書『創世記』のイヴの裸体に大蛇が巻き付いている様子が描かれています。題名の『Sin』とはアダムとイブの『原罪』を表しています。悪そうなイブの眼差しはファム・ファタールそのもの!

ドイツ美術も名画も楽しめます

いかがでしたか?

ベルリンを代表するアートスポットだけあり、名画やおすすめ作品が充実していました。

ドイツ美術に触れたい人、ドイツ絵画や彫刻を見たい人、アーノルド・ベックリンが好きな人に特におすすめです。

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