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遺跡に行く前にチェック!古代ローマの住宅・部屋・建築技法の用語一覧

古代ローマの世界はロマンがいっぱい♪ 今回は古代ローマ建築・住宅でよく出てくる単語をまとめました。

これからポンペイ遺跡やエルコラーノ遺跡に行かれる方はぜひチェックしてくださいね。

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古代ローマ建築の部屋の種類・用途

アトリウム(Atrium)

古代ローマ建築 アトリウム(Atrium)

ポンペイやエルコラーノでよく見られる古代ローマ時代の住宅建築の構造の一つです。

玄関の奥にある広い空間で、真上には天窓(コンプルウィウム)があり、周囲を居室で囲まれています。古代では家の心臓部や家の顔としての機能を果たし、人々が集まる社交場の役割を果たしていました。

裕福な家には天窓の下に水盤(インプルウィウム)があり、美しい空間を演出していました。

アトリウム – Wikipedia

コンプルウィウム(Compluvium)

アトリウムの上にある「天窓(開口部)」のこと。正方形や長方形をしています。

傾斜した屋根によって雨水がコンプルウィウムから真下のインプルウィウムに流れ落ちるように設計されていました。また、家の内部への採光と換気の役割も果たしていました。4本以上の円柱で支えられています。

インプルウィウム(Impluvium)

天窓と水盤(インプルウィウム)
エルコラーノ遺跡

天窓(コンプルウィウム)の真下にある「水盤」のこと。天窓から落ちる雨を受け止める浅いプールのようなもの。アトリウムの中央・玄関の真正面に位置しています。

古代ローマの住宅 簡素な水盤
エルコラーノ遺跡
古代ローマの家 円柱のある水盤
エルコラーノ遺跡

インプルウィウムは簡素なものから豪華なものまで色々あり、豪華なものは床に大理石が敷き詰められ、縁には装飾がなされていました。

インプルウィウムに溜まった水は、そこからさらに下に造られた井戸へと流れ落ち、家庭用水として利用されていました。

タブリウム(Tablinum)

仕事場&応接間のような公式な部屋。玄関の反対側・奥にあり、アトリウムとペリスティリウムの間に位置します。 家の中心的な空間で、主人のオフィスで来客を迎える場所でもありました。

ペリスティリウム(Peristylium)

エルコラーノ遺跡

ペリスタイル(Peristyle)とも呼ばれる中庭のこと。

ギリシア建築やローマ建築において、柱廊(列柱のあるポーチ)で囲まれた中庭を指します。ギリシア起源の優雅なペリスティリウムは「ロードス式」と呼ばれる形式で、北側の柱廊が他よりも奥まって高い位置に造られていました。

ペリスタイル – Wikipedia

ペリステュリウム型ドムスの間取りはこちらのブログで詳しく紹介されています。

ペリステュリウム型ドムスの間取り・解説

ビリダリウム(Viridarium)

photo by Sailko

特に貴族や裕福な家の中庭のこと。ペリスティリウム(中庭)の中央に位置する庭園で、彫像や噴水による装飾が施されていました。

Viridarium – Wikipedia

トリクリニウム(Triclinium)

トリクリニウムを再現した展示 (Wikipedia)

ゲストを招いて饗宴を行うための部屋。「横臥食卓」とも言われる、古代ローマ建築の正式なダイニングルーム(食堂)です。

そこに置かれていた3つの寝台が名前の由来で、ギリシア語のτρι-(tri-、3つ)、κλίνη(klinē、長いす)を組み合わせた言葉です。家の主と招待客は部屋の三方に置かれた寝台の上に三人づつ横たわり、最後の一方は給仕のために空けてありました。饗宴は長く、午後から深夜遅くまで続いたそうです。トリクリニウムは通常、庭園(ペリスティリウム)に向かって開放されていて、客が庭の眺めを楽しめるように工夫されていました。

トリクリニウム – Wikipedia

オエクス(Oecos)

トリクリニオと同様、しばしば饗宴をするための部屋として使われました。

エディキュラ(Aedicula)

家庭の祭壇 エディキュラ(Aedicula)
半円形ドーム エディキュラ(Aedicula)

家庭用の祭壇のこと。2つの円柱で支えられた小さな神殿。日本でいう神棚のようなもの!? 家の守り神として、ラレス(Lares:古代ローマの家と家族を守る神)とペテナス(Penates:古代ローマのかまどの守護神)の像が祀られていました。日本と少し似ている気がして親近感です。

Aedicula – Wikipedia

クビクルム(Cubiculum)

寝室(Bedroom)のこと。暖房がしやすいように小さく作られていました。

エクセドラ(Exedra)

アトリウムの近くに位置する半円形のホール。石造りのベンチや移動できる椅子が置かれ、くつろいだり、会話を楽しむのに適した場所でした。

エクセドラ – Wikipedia

古代ローマ建築の材料いろいろ

ここからは材料や建築技法の用語をまとめます。

オーパス・カメンティシウム(Opus Caementicium)

ローマンコンクリート(Roman Concrete)とも呼ばれる、古代ローマで建設に使用された材料です。砂または砕いた石と石灰岩を混ぜて作られていました。

オーパス・クラティウム(Opus Craticium)

Craticiiとも呼ばれる古代ローマの安価な建築技法。木製の枠に、粉砕した岩、石灰岩、泥を流し込み、漆喰を塗ったものです。

オーパス・インカータム(Opus Incertum)

古代ローマの建築技術で、不規則な形をして無作為に配置された未加工の石や凝灰岩のブロックのこと。壁や床などに使われました。

オーパス・ラテリシウム(Opus Latericium)

古代ローマの建築技術で、帝国時代の壁建設の主要な形式でした。粗いレンガが積み重ねる技法です。

オーパス・ラテリシウム(Opus Quadratum)

古代ローマの建設技術で、モルタルを使わずに、同じ高さの石の四角いブロックを平行なコースに配置する技法のこと。

Opus quadratum – Wikipedia

オーパス・セクティレ(Opus Sectile)

大理石や真珠層、ガラスなどの材料を切って、壁や床にはめ込み、絵や模様を作る美術技法のこと。古代ローマ・中世ローマ時代に流行しました。

オプレ・セクティレ – Wikipedia

オーパス・シグニヌム (Opus Signinum)

古代ローマで使用された建材で、粉砕したタイルに、石灰石と砂を混ぜたもの。壁や床の湿気を防ぐために使われました。

Opus Signinum – Wikipedia

いかがですか?

聞きなれない言葉が多いですが、あらかじめチェックしておくと古代ローマ遺跡観光がもっと楽しくなると思います!

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