ナポリ南にある古代ギリシャ・ローマ遺跡のパエストゥム(ポエストゥム)。地球の歩き方を見てすっごく気になり、ナポリ北にあるガゼルタ宮殿とどっちに行こうか迷った末こちらに行ってきました。遺跡はもちろん、町や周囲の雰囲気がすごく素敵でツボだったので紹介します。
Amazing Paestum! I wish if I could stay here. パエストゥムすっごく良かった。遺跡だらけ、田舎、人少ない、野花いっぱい🌸 アポロ神殿、円形闘技場、浴場etc過去を遡るのは面白い pic.twitter.com/fviApr6Abf
— Koni@NapoliItaly (@koni_bali) May 23, 2016
目次
パエストゥムとは
ナポリ近郊にある遺跡跡。知名度は低いですが世界遺産です。
パエストゥム (Paestum) は、イタリア南部カンパーニア州サレルノ県カパッチョ=ペストゥムにある古代ギリシア、古代ローマ遺跡。 1998年には、ユネスコ世界遺産に登録された。パエストゥムとはポセイドニア(Poseidonia)が訛ったもので、イタリア読みでは「ペストゥム」が近い。 – Wikipedia
行き方・おすすめスケジュール
ナポリから日帰りで行けます。ナポリ中央駅からTrenitaliaで1時間ちょっと、往復12ユーロです。
わたしは朝ゆっくりしてお昼過ぎにナポリを出て、4時間ほど観光して、夕方に帰ってくるスケジュールで行ってきました。5月のイタリアは8時頃まで明るいので、夜駅からホテルまで歩くのも全然問題なかったです。
行きの電車
ナポリ発:Napoli Centrale 12:25
パエストゥム着:Paestum 13:48
料金:5.9ユーロ
予約:オンライン予約または駅で購入
帰りの電車
パエストゥム発:Paestum 18:03
ナポリ着:Napoli Centrale 19:20
料金:5.9ユーロ
予約:オンライン予約または駅で購入
○ 時刻表の確認・チケット購入はTrenitaliaから
パエストゥム駅から遺跡までの行き方
徒歩10分〜15分です。駅の西口から伸びる道をまっすぐ10分ほど歩くとTの字にぶつかります。正面はもう遺跡エリア。Tの字を右手に曲がって100メートルほど歩くと右手に 「MUSEO」と書いてあるすごく立派な建物があるのでそこが博物館。そこでチケットを購入し、オーディオガイドをレンタルします。
スケジュール(約4時間)
1. 駅から遺跡エリアに移動 徒歩10分
2. 考古学博物館でチケットを購入(7ユーロ)し、オーディオガイドをレンタル(5ユーロ)
3. オーディオガイドを聞きつつ博物館を見学
4. 博物館から遺跡へ移動(徒歩3分)
5. 遺跡内をオーディオガイドを着つつ見学
6. 遺跡前のリストランテで休憩・食事(12ユーロ)
7. 遺跡エリアから駅に移動 徒歩10分
日帰り観光の費用
合計 36ユーロ
駅から博物館まで
駅がかわいい。駅からの道が素敵なんです。田舎の一本道。ほのぼの
フォトツアーもやってました。遺跡フォト絶対いいね
遺跡エリアじゃないところにも遺跡っぽいのが
いいお天気。ぽかぽか
Tの字を右に曲がると土産屋さんやレストランがあって賑やか
これは買わないと思う
可愛いけど絶対重い
こちらが博物館
博物館内
チケットを購入。博物館と遺跡共通で7ユーロです
ここのオーディオガイド(英語)はビデオ付きですごく分かりやすいので絶対に借りた方がいいです。5ユーロ。パスポートなどのIDを預けるないと借りれないので持って行こう
2500年前のツボの柄がこんなに鮮やかなんて!
何この牛?と思ったけど説明を読んで意味が分かったら面白かった!この彫刻はギリシャ神話のワンシーン、ゼウス神が扮した牛がエウロペを連れ去る場面を描いたもの。牛しか残ってないけど・・。
簡単にいうと、浮気性のゼウスが美しい王女エウロペに恋をして、彼女に近付くために牡牛に変身してエウロペが油断したところを背中に乗せてクレタ島に連れ去りまんまと浮気を成功させた話です。「ヨーロッパ」の語源になってるのも面白い
エウローペーは、テュロスのフェニキア王アゲーノールとテーレパッサの娘で、美しい姫であった。エウローペーに一目ぼれしたゼウスは誘惑するために、自身を白い牡牛に変える。エウローペーが侍女と花を摘んでいる時に、白い牡牛を見つけその背にまたがると、その途端白い牡牛はエウローペーをクレータ島へと連れ去った。そこでゼウスは本来の姿をあらわし、エウローペーはクレータで最初の妃となった。連れ去る際にヨーロッパ中を駆け回ったため、その地域はエウローペーの名前から「ヨーロッパ」 (Europa) と呼ばれるようになった。 – Wikipedia
小さな女性の頭部。ヘラ?
これも面白かった。ギリシャ神話に登場する「ゴルゴーン」という髪の毛の代わりに生きた蛇が生えている怪物で、魔除のために飾られていたものらしい。
ゴルゴーンはメデューサだという話も。魔女だけど魔力が強くて魔除けになるあたり、バリ島のランダと共通してる。フェイスもなんとなくランダに似ているような
ポルキュースとその妻ケートーの子で、髪の毛の代わりに生きている蛇が生えている。オーケアノスの流れや「ヘスペリデスの園」の近くの世界の西の果ての島に住んでおり、グライアイ3姉妹の姉でもある。
しばしば黄金の翼、青銅の手、イノシシのような牙を持つとして描かれており、壷絵には下半身が馬の腹から下になっている姿で描かれる事もある。神話によると、ゴルゴーンの顔を見たものは石になってしまう。 – Wikipedia
こいつの用途がすごく気になる。「Ring Guttus」っていう名前で、調べたけどよく分からななかった。 → 調べなおしたら Guttusはラテン語で「水差し」だった。つまりリング状の水差し。すっきり!
遺跡エリア
続いて遺跡エリアへ。ポンペイに比べたら小さいし、見晴らしがいいのでどこに何があるか把握しやすくて楽です。駆け足で見るなら30分、じっくり見たり写真を撮るなら1〜2時間、わたしは2時間弱かかったよ。
遺跡を回る時にオーディオガイドがめちゃ重宝しました。遺跡マップ・GPS付きで自分が今どこにいるか分かるのが便利。
遺跡エリアに入ってすぐ右手、一番北にあるのがアテネ神殿(Temple of Athena) 紀元前500年に建てられたもの。
アテネはギリシャ神話に登場する戦いの女神。ゼウスの娘であり、ゼウスの頭から全身鎧を着たまま飛び出して生まれたそう。ローマ神話ではミネルヴァ(Minerva)として知られてます。
The Via Sacra。当時のメインストリート
沐浴場跡。既婚女性はここで沐浴して赤ちゃんが授かるのを祈ったそう
「Heroon」というちょっと変わった場所。もともとは古墳だったのが外側がなくなって古墳の内部が残っている状態。Heroonというのは古代ローマで当時の英雄を讃えるための慰霊碑で、パエストゥムの創立者のお墓 & その人物を讃えるための場所だったよう。
バジリカ(聖堂)
プール。大きい!
ヘラ神殿(Temple of Hera) 古い方。紀元前600年に建てられたもの
ヘラ神殿(Temple of Hera) 紀元前450年ごろに建てられたもの
ヘラって誰?
ギリシャ神話の最高位の女神。ゼウスの姉で奥さんです。夫の浮気に悩まされる嫉妬深い女神ってイメージ
婚姻と女性を守護する女神であり、古代ギリシアでは一夫一婦制が重視されていた。嫉妬深い性格であり、ゼウスの浮気相手やその間の子供に苛烈な罰を科しては様々な悲劇を引き起こした。夫婦仲も良いとは言えず、ゼウスとよく口論になっている。
毎年春になるとナウプリアのカナートスの聖なる泉で沐浴して苛立ちを全て洗い流し、処女性を取り戻し、アプロディーテーにも劣らず天界で最も美しくなる。この時期にはゼウスも他の女に目もくれずにヘーラーと愛し合うという。 – Wikipedia
知っとくと遺跡観光の理解が深まる!古代ローマの住宅
お金持ちの個人宅跡もあったんですが、ポンペイ、エルコラーノでも同じタイプの住宅跡を見ました。部屋の名前が全部「なんたらウム」でめちゃややこしいけどこれを頭に入れておくと理解が深まります。オーディオガイドが「なんたらウム」を連発するので混乱しなくて済むよ。
玄関を入ってすぐの部屋がAtrium(アトリウム)
座っておしゃべりする部屋。中央の長方形の場所は天窓から雨を受けるための水盤があったそう
古代ローマ時代の住居の中庭は玄関奥に配置された広間で、そこには大きな天窓があり、その下に雨を受ける水盤が置かれ床には大理石が敷き詰められ、人々が集まる社交場の役割を果たしていた。 – Wikipedia
その奥がTablium(タブリウム)
応接室・書斎的な場所で主人の仕事場。アトリウムと繋がっていて家全体を見渡せる設計になってる
アトリウムとペリスタイルの間にあった。家の主人のオフィスのようなものであり、顧客と応対する場所だった。主人はここから住居全体を見渡すことができた。 – Wikipedia
その奥がPeristyle(ペリスタイル)
回廊で囲まれた吹き抜けの中庭
田舎では、裕福なローマ人はヴィラ (villa) を整備された庭園で囲んでいたが、都会のローマ人は庭園をドムス (domus) の中にこしらえた。特に広々とした中庭を peristylium と呼び、周囲を円柱や四角い柱と屋根のかかったポルチコで取り囲み、壁は精巧な風景やトロンプ・ルイユを描いた壁画で装飾していた。 – Wikipedia
その他の部屋
– ダイニングルーム。長いすに横たわって食べるという独特の習慣があった。中央に低いテーブルがあり、3方を長いすが取り囲んでいた。 - Culina(キッチン) – ローマの住居の台所。暗く、煙突がないため煙が充満していた。台所で食事を作るのは奴隷の役目だった。
- Alae(アラエ) – 小部屋
- Cubicula(クビクラ) または Cubiculum(クビクラム) – 寝室
おつかれ!遺跡前でワインとチーズを楽しむ
遺跡観光を終えて帰りの電車まで後40分、博物館の隣にある「Bar Museo」で軽い夕食を取りました。
この周辺は私の大好物のモッツァレラチーズ発祥の地ということで、モッツァレラとパルマハムの一皿、ローカルの白ワインに舌鼓♡
バケットも美味しくて進む進む全部完食。給仕さんの感じも良かった。しかもたった12ユーロで安さに感激!
カンパニア州はモッツアレラチーズ発祥の地でもあるからモッツアレラ食べなきゃ!!という訳で遺跡前のリストランテでパルマ産生ハムとモッツアレラチーズ、バケット、辛口白で軽い夕食。幸せ臨界点。美味しいものは一人で食べるに限るな❤ pic.twitter.com/KX8hK98cw6
— Koni@NapoliItaly (@koni_bali) May 23, 2016
野花に癒された〜
駅から歩道から遺跡内も可愛い野花が沢山咲いていて癒されました。
まとめ
好き度 100点
人が少なくてのんびりしたパエストゥム。観光客が沢山いて広すぎて疲れるポンペイに比べてすごく歩きやすかったし楽しかった♡
ぜひナポリから日帰り観光で行ってみてください。南の方にビーチリゾートもあるそうなので、わたしは次回は泊まりたい!
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素晴らしいですね!喋れないのにひとり旅の私にとっては大助かり。私は力ゼルタに行ったのですが、うっかり閉館日で、残念な1日でした。アグリジェントのギリシャ神殿を見てから神殿好きになり、昨年はチュニスに行ってきました。コロナが収まったら、又ナポリに行ってぜひここを訪れようと思います。貴重な情報ありがとうございます。ワインとチーズも楽しみです!
コメントありがとうございます。カゼルタは行ったことがなく、今度ぜひ行きたいと思っていました!閉館日で残念でしたね・・・。
私も渡航できるようになったらパエストゥムはぜひ再訪したいです。早く行けるようになるといいですね!