去年初めて訪れて恋に落ちた中世の町、丘の上の町、素晴らしいドウォーモがある町、オルヴィエート(Orivieto)。ローマのテルミニ駅から1時間ちょっとで行ける小さな町です。去年は1ヶ月の旅行中に予定を変更して2回・計1週間滞在したんですが、今回は1泊2日であのドウォーモを眺めに行ってきました。
目次
美しすぎるファサード
300年かけて建てられたドウォーモのファサード(正面)は息を飲む美しさです。朝見て夕方また見たくなる圧倒的な魅力。特に面白いのが柱の浅浮き彫りとフレスコ画です。よーく見ると、ちゃんとストーリー仕立てになってるんですよ!今回は二つのストーリーを紹介します。
旧約聖書の物語
ファサードの一番左の柱に「旧約聖書の世界と人間の起源」の物語が描かれています。有名なシーンばかりなので分かりやすいと思います。
天地創造
神は大地・海・鳥などを作りました
神は獣と家畜を作りました
神に地面の土を使って人(アダム)を作りました
神は鼻の穴から生命を吹き込みました
神はアダムが眠っている間に肋骨を取り出して
女(エバ)を創造しました
失楽園
神は「善悪の知識の実だけは食べてはならない」と命令しました
が、蛇にそそのかされて食べてしまいます
禁忌を犯したのでエデンから追放されました
アダムが額に汗して働いているところ?
カインとアベル
次の場面ではアダムとエバの息子、カインとアベルが登場。ある日、カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げましたが、神はアベルの供物に目を留めカインの供物は無視しました
嫉妬にかられたカインはアベルを野原に誘い出して殺害しました
・・という旧約聖書の最初の部分が描かれています。 あと二つ場面があるんですが(柱の一番上)、テーマが分かりませんでした。分かる人いたら教えて!
聖母マリアの生涯の物語
もう一つ見逃せないのが、ファサード全体にフレスコ画で描かれた「聖母マリアの生涯」です。
マリアの誕生
新約外典「ヤコブ原福音書」によると、アンナと夫のヨアキムには長く子供が無く、二人が老齢となってから初めて子供を授かることを天使から告げられました。これを受けてアンナは子供を神に捧げることを約束したそうです。
左上のヒゲの男性がヨアキム、右上の女性がアンナ
マリアの神殿奉献
アンナとヨアキムは、エルサレム神殿のお陰でマリアを授かったと信じており、やがて、3歳に達したマリアをエルサレム神殿に奉献しました。
マリアの結婚
マリアはダビデ家の子孫とされる「ナザレのヨセフ」と結婚します
受胎告知
大天使ガブリエルがマリアに受胎を告げる場面があるんだけど、撮り忘れた・・!
でも、マリアは結婚前に受胎告知でイエスを身ごもったとされるので、時系列でいえば受胎告知の方が結婚よりも先のはず?
○ 受胎告知
キリストの洗礼
いきなりキリストが登場。ヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けている場面です。
○ イエスの洗礼
マリアの被昇天
マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴い、天使たちに支えられて天に昇った場面。キリストは自らの力で昇天しましたが、マリアは天使たちに支えられて昇天した(被昇天)点がポイントです。
○ 聖母の被昇天
マリアの戴冠
天上でマリアが自らの息子キリストの手から冠を受けている場面です
まとめ
自分が好きな場面だけ雑にまとめました!
オルヴィエートのドウォーモには沢山のストーリーが隠れてます。繊細な装飾をただ眺めるだけでも十分楽しいけど、主題が分かるとドラマを観てるみたいでもっと面白いですよ〜。