オンラインレッスン開講中。Webマーケティング、SNS、アートなど(^^)

ボッティチェリ『プリマヴェーラ(春)』を解説 #004

作品名プリマヴェーラ(春)Primavera
画家名ボッティチェリBotticelli
制作年1482年頃
様式初期ルネッサンス
所蔵ウフィツィ美術館 フィレンツェ イタリア

作品解説

「春」とも「プリマヴェーラ」と呼ばれる本作は、ルネサンス期のイタリア人画家サンドロ・ボッティチェッリが1482年頃に描いた、世界で最も有名でな絵画の一つです。画面には8人の男女と1人のキューピットの合計9人が描かれています。

「春」は右→左に向かって鑑賞すると言われ、右から春を告げる西風の神ゼフュロスが冬の冷気を吹き飛ばし、逃げようとするニンフのクロリスを拉致して自分のものにしようとしています。

クロリスの口元から溢れる草花が全身を覆って春の女神<プリマヴェーラ>(左)へと変身する。つまりこの二人の女性は同一人物なんですね。

その左、画面の中心には愛の女神ヴィーナスがたたずみ、頭上ではキューピットが弓を構えて左下の3美神に狙いを定めています。

キューピットが狙っているのはどの女神でしょうか?答えは「貞節」です。

3美神は右から「美」「貞操」「愛欲」を象徴しており、真ん中の「貞節」が「美」と「女神」に導かれ、キューピットの矢に射られて愛に目覚める瞬間を表しています。なんだかロマンチックなお話です。

一番左の男性はヘルメス神で、頭上の霧を杖で払っている。
神々の伝令使であるヘルメスに導かれ、ヴィーナスは再び天へ帰っていきます。

本作はメディチ家ロレンツォ・デ・メディチの婚礼を記念する祝婚画として描かれ、当初メディチ家の寝室の壁を飾っていたとされます。

※ 主題や制作目的については諸説あり

絵画の風景はとても精密に表現されており、500種類以上の植物と190種類の花が描かれています。

190種類の花々のうち少なくとも130種類については実在するどの花なのかを特定できると言われており、ボッティチェリの正確な筆致に驚かされます!

本作に影響を与えた詩

古代ローマの詩人で哲学者のルクレティウスの著書『事物の本性について』の一節が『プリマヴェーラ』に影響を与えたと考えられています。

春とともにヴィーナスとキューピッドが姿を現し、ゼピュロスは春を呼ぶ強風を吹き立て、フローラは色とりどりの花々と芳香を周囲に満ちあふれさせる。

『事物の本性について』

ボッティチェリはどんな画家?

ボッティチェリの肖像画

ボッティチェリ 1445年 – 1510年

初期ルネサンスで最も業績を残したフィレンツェ派の代表的画家。フィリッポ・リッピの元で学び、メディチ家の保護を受け、宗教画、神話画などの傑作を残しました。

実はボッティチェリはあだ名。本名はアレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピ (Alessandro di Mariano Filipepi) といいます。

ボッティチェッリは兄が太っていたことから付いた「小さな樽」という意味のあだ名です。