こんにちは!名古屋でのんびりしていますコニ(@koni_bali)です。
前回に続いてバンコク博物館の紹介です。こちらの記事では壁画「ブッダの生涯」以外の展示品を紹介していきます。
目次
4本腕のヴィシュヌ
「Four-Arms Visnu」
アユタヤ美術 16世紀
ヴィシュヌのアトリビュートは円盤と法螺貝です。
4本腕のヴィシュヌ
スコータイ美術 14-15世紀
優美な顔立ちとしなやかな身体をしたヴィシュヌ。
スコータイ美術の特徴は、面長の顔や細い目や口だそうです。
立ち姿のブッダ
「Standing Buddha Image in the Dispelling Fear mudra」
アユタヤ美術 16〜17世紀
ブッダの右手は「施無畏印(せむいいん)」という印相(いんぞう)で、「怖がらなくていいよー」という意味。
立ち姿のブッダ
「Standing Buddha in gesture blessing」
ドラヴァーヴァラティー美術 8世紀
法輪と鹿
「The Wheel of the law and a crouching deer」
ブッダの死後何世紀もの間、仏像は作られず、代わりにブッダやブッダの生涯を表すシンボルが作られていました。
法輪は説法、菩提樹は成道、蓮華は誕生、仏塔はブッダの死などです。
この法輪はブッダの教えが世界的に広まるシンボルとして作られたと考えられ、15本の円柱形のスポークにはブッダの最初の教え「指定八正道」がパーリ語で刻まれています。
法輪の下にいる鹿は頭を振り向いて、インドのサールナート(鹿野苑)でのブッダの最初の説法に耳を傾けています。
観音菩薩胸像
「Bodhistavva Avalokiteshvara as Padmapani」
シュリーヴィジャヤ美術 8-9世紀
胸像部分のみの美しい観音菩薩像。
これは「蓮華の保持者」を意味する衆生の救済者である菩薩「パドマパーニ」の姿だとされています。
パドマパーニは仏陀の補佐役である菩薩の一尊で、すでに悟りの最終段階にあるが、衆生を救済するためにあえて悟りの世界に入らずにこの世にとどまっているとされています。
遊行仏
「Walking Buddha」
スコータイ様式 14-15世紀
スコータイ彫刻の卓越した表現力、華麗さ、独創性を示す作品。
スコータイ黄金期の彫像、支柱のない丸彫りの「遊行仏」です。
手を胸の前に上げ手のひらを正面に向けた施無畏印は一般に人々の恐れを取り除くことを表しますが、タイでは左手の施無畏印は仏陀が母に説法をした天界から降下するのを迎えようとした仏たちを静止した姿とされるそうです。
タイでは右手の施無畏印は「恐れなくてよい」の意味。左手の施無畏印は「出迎えはよい」の意味
ラクシュミ像
アユタヤ美術 16〜17世紀
ヴィシュヌの妻とされるラクシュミの像です。
ヒンドゥー教の神様ですが、タイでも長く信仰されてきました。
美と豊穣の女神というだけあって、とても艶やか。
マーラを追い払うブッダ
「Crowned and Bejeweled Buddha subduing mara」
アユタヤ美術 18世紀
ブッダの右手は降魔印(ゴウマノイン)を結んでいます。「お前うざい!あっちいけ!」的な意味です。
お釈迦さまが悟りを開こうとしているときに、それを邪魔をするためにやってきたマーラ(悪魔)の軍勢を払ったポーズが、手を下ろして地面に指を触れるこの降魔印(ゴウマノイン)です。
ナーガに守られ地面に触れるブッダ
「Buddha in the gesture of touching earth and sheltered by Naga’s hood」
スリヴィジャヤ美術 10-11世紀
前と同じ、地面に指を触れてマーラを追い払うブッダですが、「ナーガ」と呼ばれる7本の首を持つ大蛇に守られています。
ブッダの頭部
「Head of Buddha Image」
アユタヤ美術 16世紀
アユタヤのワット・プラ・シーサンペットで発見されたそうです。
今回この遺跡も行ってきたんですが、確かに頭部が欠損している仏像がいくつもありました。
もしかしてこのあたりの像の頭..? 👇
ヒンドゥー三位一体 または サダーシヴァ像
「Hindu Trinity or Sadashiva」
アユタヤ美術 15-16世紀
ヒンドゥー三大神(シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマー)の一体像。
正面の聖紐をかけたシヴァは三叉槍、左のヴィシュヌはチャクラ(円盤)、右のブラフマーは数珠のアトリビュートを持っています。
しかし、三位一体の像の上に第四の顔があるのは不自然。第三の目が第四の顔と正面の顔に両方付いているので、両方シヴァ神を表し、クメール芸術の影響を受けた永遠のシヴァ神を意味する「サダーシヴァ像」とも考えられるそうです。
勝利の王室山車
「The Royal Great Victory Chariot」
タイ王室の行事、儀式、葬儀などに使われてきた豪華絢爛な山車(だし)が展示されています。
これを数百人がかりで引くそう。
王家の乗り物は、宇宙の中心にあって神々が住むメール山を象徴しているそうです(バリ寺院のメルと一緒!)。
手仕事の綿密さに驚き!
見事な木彫りの棺
遺骨を納めると思われる壺
螺鈿細工の工芸品
貝を使った美しすぎる螺鈿工芸♡
美術検定の教科書にも出てきたやつ。
螺鈿細工で托鉢の鉢、というのが面白いです。
ラマ5世の1873年の即位を記念して作らせたものだそうです。
よく見ると色々なモチーフが極小サイズで描かれていて可愛い!
アユタヤ美術の家具
アユタヤ様式の特徴は、底辺が上辺よりわずかに長い(台形になっている)点だそうです。
言われてみると確かに台形になっています!家具だけでなく建物自体は台形になっている蔵もあるのでぜひ見てみてください。
ペンジャロン焼き
緻密な色付けが美しい、華やかなベンジャロン焼き。
白地にタイ文様を描いた色彩豊かな磁器のことです。
最高級のベンジャロンは王族専用の品として製造されていました。
伝統的な仮面や人形
ラーマーキエン(ラーマーヤナ)劇に使われる仮面や、王宮内の人形劇に使われていたからくり人形の展示も。
バリと同じく神聖なものとして扱われているようです。仮面って別な何かがありますよね。
手作業の細かさがすごすぎる工芸品の数々
バンコク国立博物館を楽しむTIPS
- トイレが綺麗です
- チケット売場隣にカフェと、裏手にレストランがあります
- 裏手のレストランのタイ料理が安くて美味しいです
- 美術好きなら1日居ても楽しめます
- 靴を脱ぐポイントがいくつかあるので脱ぎ履きしやすい靴がおすすめ
- ミュージアムショップでは日本語のガイドブックも購入できます(買いました!)
敷地内の地図はこちら
本当に素晴らしい展示品の数々でした!
タイの美術品は全体的にとても緻密・綿密な手作業に彩られていて、タイの人々の信仰の深さと忍耐強さが感じられました。
アート好きなら最低半日、1日いても足りないくらいのボリュームです。私は11時〜16時まで居て足りませんでした。
またバンコクに来たら絶対に行きたい場所の一つです。
[…] タイ・アート巡り②「バンコク国立博物館」の見どころを全部紹介 […]